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平成31年2月子ども教室第2回

平成31年2月16日(土)午後1時から苫小牧市文化会館にて子ども教室を行いました。

入門クラスは5名でした。

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志田先生の講義を集中して受けています

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実力向上めざましく そろそろ入門卒業でしょうか

初級クラスは9名の子が参加してくれました。

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対局に集中できるようになりました

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後半はミノ囲いの崩し方をやりました

中上級クラスは7名(うち成人2名)でした。

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本日は取材記者もみえていました

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きゅうきょ始まった朝日杯決勝の検討会


次回の教室は平成31年3月2日(土)午後1時から苫小牧市文化会館で行います。
将棋は、お子さんの集中力を養い、コミュニケーション能力を育成するのに最適のゲームです。見学のお子さんも大歓迎です。
指導をしてみたい大人の方、どんなことをしているか興味のある方も、気軽にのぞいてみてくださいね。

<文責 大谷和広>
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はじめの一歩からの指導 ⑥

 前回は、玉飛角に歩が加わった将棋を体験しました。
 今回は残りの駒の特徴をどう覚えてもらうか、という話です。

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金・銀・桂・香 それぞれ個性的な駒


 説明のしかたはこれまでとほぼ同じです。
 盤には、最初に習った、玉・飛・角だけを初形の定位置に置きます。
 そして金・銀・桂・香の順番に、駒をつまんで、生徒に見せていきます。
  ⅰ. 駒の読み方を質問し、その駒の個性を一言で説明する
   * 「玉を守る」「攻めに強い」「飛び跳ねる」「一直線」など
  ⅱ. 盤に置いて、動けるところ(長所)と動けないところ(弱点)を教える
  ⅲ. 駒を裏返して、読み方と動き(「金と同じ」)を確認する
  ⅳ. 盤の初形の定位置に置く(玉から離れていく)
というのを繰り返します。

 次に、相手の駒も同じように、玉・飛・角・金・銀・桂・香と並べます。特に飛と角を逆に並べるなどのミスが置きやすいので、「相手の駒はさかさまだよ」と声をかけます。
 余談ですが、「次は相手の番」「相手の駒はさかさま」は、入門指導の重要キーワードです。初心者の将棋では、▲7三角と王手飛車をかけて△8一桂に取られる、△3二銀形で▲2一飛成と桂を取って飛を取り返される、などのミスがしばしば起きます。自分の駒の動きや狙いは見えても、相手の対応は見えにくいのです。従って、相手の対応に注意を向けさせる言葉はよく使います。
 さて、並べ終わると、初形から歩だけが盤上に置かれていない状態になります。この歩がない初形から練習将棋を指します。
 前回は、「歩」があると、将棋がとたんに難しくなる、ということをやりました。今回は逆で、「歩」がないと将棋はとてもシンプルになる、ということを体験してもらいます。

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空(三段目)に雲(歩)がないことから「あおぞら将棋」ともいう 


 あおぞら将棋は、入門の練習教材として、いくつかの優れた点があります。
 第1に、駒を成る手、駒を取る手をたくさん指すことができます。「成りながら取る」のは、一石二鳥の得な手です。
 第2に、相手の駒をタダで取る、逆に自分の駒をタダで取られる、という体験を積めます。初形の配置でどの駒が浮き駒かを理解できます。
 第3に、自陣の駒に「ヒモがついて」いれば、相手に取られても、その駒を取り返せます。取られた駒を取り返すことを「駒の交換」といいます。駒の交換は、「駒の損得」という、上達のうえで重要な概念を教えるきっかけになります。
 第4に、持ち駒がたくさんあるので、駒を「打つ」手を指せます。盤上の駒を動かす手に比べ、持ち駒を打つ手は、選択肢が多く、初めて覚えた子には指しにくい手です。最初は打つ手を積極的に指してもらうよう指導しましょう。
 第5に、持ち駒の飛・角・桂・香を打って王手する手が頻出します。王手は、狙いのある手を探す第一歩です。入門段階では積極的に指したほうがよいでしょう。ただ、生徒同士の対局では、王手の見逃しで終わってしまうと練習にならず、「王手」と宣言するルールにしたほうがよいかもしれません。
 第6に、王手されたほうは、次にどんなやりたい手があっても、「王手を外す手」を必ずしなければなりません。「王手を外す」やりかたには、王手されている相手の駒を取る、玉を相手の駒の効きから逃げる、(飛・角・香の場合のみ)合い駒をする、の3通りがあることを教えられます。

 あおぞら将棋をいきなり生徒同士で指してもらう手もありますが、覚えたての子は、どう指してよいかわからないはずです。また互いに反則手ばかりというのも、よい練習にはならない。やはり模範手順を示すのが無難かと思います。

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あおぞら将棋だと短手数で詰みまで教えられる


 私が教えたときは、大盤でこんな手順を並べてみました。「 」は手の解説です。

 1 ▲1一香成 「香を金に成って、相手の香をタダでとる 2倍得な手」
 2 △9九香成 「次は相手の番 相手も得な手を選ぶ」
 3 ▲2一成香 「桂を取った 銀は効いていないね 次に角を取れるね」
 4 △8八角成 「次は相手の番 取られそうな角を逃げてこちらの角を取る」
 5 ▲8八同銀 「角は強い駒だから、取られたままはダメ 取り返そう」
 6 △8九成香 「△8八同飛成なら?▲同飛と取れる 飛と銀どっちが得?」
 7 ▲3一成香 「銀を取った」
 8 △3一同金 「金は横に効くから取り返そう 銀と香どっちが得?」
 9 ▲5三銀  「どの手がいい? ①▲7三角 ②▲4三桂 ③▲5三銀」
10 △8八飛成 「銀を取ったのは得な手」
11 ▲4三桂  「王手だね。どうする?」
12 △4一玉  「王手を外すのはこれしかないね」
13 ▲3一桂成 「金を取ったよ 王手だね」
14 △同玉   「王手を外すのはこれしかないね」
15 ▲4二金  「王手を外せるかな? 詰みといいます」

 こういう模範手順をやった後は、指導対局から始めたほうが効率的です。あらかじめ「手順を教えた後は先生との対局をします。先生は後手でこの手順の通りに指します」などと宣言しておくと、勝ちたい子はがんばって覚えてくれます。
 生徒同士の対戦をするときは、勝ち負けにこだわるのはよくないので、最初は指導者が観戦して、その場でよい手を褒め、反則手を指摘したほうがよいと思います。

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関係ないのですが 節分でみつけて 楽しいので貼りました(笑

<文責 大谷和広>

平成31年2月子ども教室第1回

平成31年2月2日(土)、苫小牧市文化会館で子ども教室を行いました。
市内では「スケート祭り」という恒例行事の最中でしたが、たくさんの生徒さんにお越しいただきました。
本日はスタッフも多く、充実した指導となりました。


中上級クラスは8名(成人2名含む)。棋譜並べや詰め将棋をしました。

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「一歩竜王」の名棋譜 オールドファンには”藤井”といえばこの方

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渥美君に詰め将棋の神が舞い降りた瞬間 なお中林君は神が降りる5秒前


初級クラスは9名、実戦、講座(美濃崩し)、詰め将棋をしました。

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練習でも負けたくない思いが伝わってきます

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片ミノ囲い ヨコから攻める? 上からつぶす?


入門クラスは5名(うち見学1名)でした。

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覚えたばかりの子も講師が優しく指導してくれます

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「ちゃんと玉を囲えたかな?」 講師のチェックが入る

次回は平成31年2月16日(土)午後1時から苫小牧市文化会館で行います。
体験や見学のお子さんも歓迎します! 当日4階にお越し下さい。

<文責 大谷和広>

平成31年1月子ども教室第2回

平成31年1月26日(土)午後1時00分から苫小牧市文化会館にて子ども将棋教室を行いました。

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野月浩貴八段にお越しいただきました

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23名のお子さんが参加しました

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勝負師の厳しさ 指導者の暖かみ

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さっそく指導対局が始まりました

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一人ひとりの個性を的確に見抜いた指導

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駒落ち将棋の復習をして順番を待ちます

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強い子には一段レベルアップした指導が待っていました


23局全て時間内に終えることができました。なんと下手の20勝3敗でした! 
九枚落ちや八枚落ちで挑んだ入門・初級クラスの子は全勝で、大いに自信をつけましたね。

野月先生は3時間休憩なしの6面指しをもろともしませんでした。
初対面にも関わらず、その子の力量と特性にあった「いま必要な課題」を対局の中で設定し(;゜0゜)、自力でクリアできるよう導いていました。
目と頭が6つおありになるのではないか((((;゚Д゚))))))) と思ってしまうほどの驚異的な指導力に、一同ただ脱帽でした。
野月先生、ありがとうございました!

<文責 大谷和広>

指導対局会のお知らせ

 平成31年1月26日(土)の子ども教室に野月浩貴(のづきひろたか)八段が来てくださることになりました。
 野月先生は北海道札幌市の出身。小学生名人戦で優勝し、奨励会入りしました。昨年度、順位戦B1級への昇級を果たし、王位戦でも挑戦者決定リーグに出場するなど第一線で活躍中の棋士です。ご指導いただけるのは大変貴重な機会となります。
 指導対局は、お子さんの棋力にあわせて野月先生が飛・角や香・桂・銀・金などの駒を落とすハンデ戦(駒落ち)です。
 対局をしてみたいお子さんは、苫小牧市文化会館にお越しください。

* 保護者のかたへ ~ 申し込みの注意

1 指導対局の対象者は、未成年者(18歳未満)で日本将棋連盟苫小牧支部会員とします。
  当日入会されるお子さんは、中條支部長に申込書と年会費をお渡しください。
    → 子ども将棋教室受講申込書
2 場所は苫小牧市文化会館4階教室です。
    → 苫小牧市文化会館
  午後1時にはじまりのあいさつをします。その時に申込表を回します。
  対局を希望するお子さんは名前と手合い(野月先生がどの駒を落とすか)を書いてください。
  なお、入門クラスに所属しているお子さんは九枚落ち(上手が玉と右金と歩九枚以外の駒をすべて落とす)、初級クラスに所属しているお子さんは八枚落ち(上手が玉と金二枚と歩九枚以外の駒をすべて落とす)が、ある程度いい勝負になりそうな手合いではないか、と個人的には思います。
3 平成30年は、5月の阪口悟先生の来訪のときは19名、同年8月の日浦市郎先生の来訪は16名の指導対局を行いました。
    → 阪口先生の指導対局のようす
    → 日浦先生の指導対局のようす
  また、11月の中井先生、植山先生の来訪のときは27局を行いましたが、これはお二人の先生に指していただいたからです。
    → 中井先生、植山先生の指導対局のようす
  指導対局で1局にかかる時間は、20分くらいから1時間くらいまで、さまざまです。棋力が上がれば時間がかかる傾向にあります。指導対局は3面~4面の多面指しです。
  指導対局は午後1時30分までには開始し、長ければ午後4時45分ころまで行います。対局の順番は抽選で決める予定です。帰宅時刻の都合などはなるべく考慮したいと考えておりますが、申し込みの人数によってはご希望に添えない場合もあります。参加を希望される方は、いつ対局が当たってもいいように、なるべくご予定を空けていただけると幸いです。

<文責 大谷和広>

はじめの一歩からの指導 ⑤

 前回は生徒さんが「飛と角だけの将棋」を体験するところまでお話しました。
 ちなみにコミセンの教室では、どうぶつ将棋と飛角将棋で1時間30分かかりました。
 飛角将棋は、「飛と角を成る」から「龍・馬で敵玉を追い詰める」までの一局の流れを、短時間で習得できます。
 今回は、もう一歩、本将棋に近づいたルールを体験します。玉・飛・角だけでは単純なゲームですが、これに「歩」が加わると、一気に複雑さが増し、将棋らしくなります。

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 「歩のない将棋は負け将棋」は将棋の本質を表す格言

 まず生徒さんに駒をみせて、「歩兵」の読み方や動きかたを聞きます。この辺はスムーズに答えられます。
 つぎに歩を裏返します。「と」が金の崩し字であること、金の動きができることを説明します。

 そして歩を敵陣三段目に並べていきます。
 次にどう指すかを聞きます。角を成る、飛を成るという答えが返ってきます。これも全員正解できます。
 
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上手だけ歩を並べたところ
 
 ここで「駒を取る」というルールを教えます。たとえば飛を成るとき、①2三のマスにある相手の歩をつまみ、②歩を自分の駒台に置き、③飛を裏返しながら、④2三のマスに飛を移動させる、という複雑な動作をします。
 飛角将棋の復習をしたければ、この初形から、また指導者との対局をします。指導のポイントは、①飛と角を両方とも成ること(片方成っただけで満足しない)、②龍と馬で協力して玉を追うこと(一段目の玉に対し、龍を二段目、馬を三段目にセットする)の二つです。

 もう少し高度にします。「このままだと先生勝てないから少しズルをします」などと言いながら、玉を3二に置きます。
 さきほどと同じように飛や角を成ると、上手の玉に取られてしまいますね。ここで、敵陣に並んだ歩は「カベ」となり、歩を守り駒で下から支えると飛角の成りを防げる、ということを教えます。

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 歩のカベを上手の玉で支えている状態

 「では皆さんならどうやって破りますか」と問います。アイデアとしては、
   ① 上手の玉で支えていない歩を攻める(▲6六角や▲7八飛)
   ② 飛角を一点に集中する(▲3八飛)
   ③ 上手の玉を振り回す(▲9七角△4二玉▲2三飛成)
などがあり、多くの生徒さんが正解できるでしょう。

 この初形から指導将棋をする場合、指導者は、生徒さんが上記①②③のどのアイデアを使っているかに注目してください。①で指している子には、②や③にも(できれば自分で)気づいてほしいです。次のステップに進むときに攻め方のバリエーションが増えます。
 また、飛角将棋でのポイント(飛と角を両方とも成る、龍と馬で協力して玉を追う)を忘れていないかを注意します。

 このあと、さらに自陣にも歩を並べていきます。

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 10枚落ちから下手の金銀桂香を除いた初形

 自陣に歩がなかったときとの違いに気づくのが目的です。
 「飛を成れない」と気づいたら、「▲2六歩~▲2五歩と飛先の歩を伸ばす」発想ができます。
 ただ、次の▲2四歩△同歩▲同飛は応用問題です。知識がないと正解できません。コツとして、たとえば下手が▲2五歩と指したら、△4二玉と2筋をがら空きにし、「歩のカベを支える駒がいなくなったところを攻める」という発想を持ってもらいます。ぶじ▲2四歩としたら、まず「上手が放っておいたらどうする?」とたずねます。▲2三歩成で強力なと金ができます。そこで上手は△2四同歩と取るしかないのですが、このままだと歩を損しただけ、ではどうするか、▲2四同飛とすれば歩も取り返せて飛も成れる、と思考を発展させていきます。
 「角が動けない」と気づいたら、「どうすれば角が成れるか」と考えます。▲7六歩が「角道を空ける歩」と気づくはずです。しかし上手に△4二玉と守られると、歩のカベを玉で支えられ、▲3三角成とできません。
 この後の考え方は難しいです。たとえば、「△3三歩が角の成りこみを止めている」から「この△3三歩が前に進めば角が成れるのではないか」という発想が浮かべば、▲3六歩~▲3五歩と3筋の歩を伸ばし、▲3四歩△同歩▲1一角成という手順に気づくかもしれません。▲1一角成の後は、「飛を使うにはどうしたらよいか」を聞き、▲3八飛~▲3四飛という手順に気づいてほしいです。
 最後に歩の機能を説明します。相手の歩は飛角の成りを防ぐカベです。いっぽう、自分の歩は、飛角の動きをジャマしています。しかし、▲2四歩や▲3四歩のような手ができないと、飛角が成れません。そこで、「相手の歩のカベは自分の歩がないと壊せない」「だから歩がないと負けてしまう」とまとめます。
  
<文責 大谷和広>

平成31年1月子ども教室第1回

平成31年1月12日(土)午後1時から、苫小牧市文化会館で年初の教室を行いました。


入門クラスは7名。詰め将棋、講座(振り飛車戦法の基礎)、実戦をやりました 

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生徒に大好評の吉田先生


初級クラスは12名。実戦、講座(振り飛車に右四間飛車)、詰め将棋をやりました。 

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練習の成果が出ています


中上級クラスは今回5名。棋譜並べや詰め将棋解答競争をしました。 

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小学生作家の作品に感心する講師たち


次回は平成31年1月26日(土)午後1時00分から苫小牧市文化会館で行います。
野月浩貴八段が来苫されます! ふるってご参加下さい。

<文責 大谷和広>

はじめの一歩からの指導 ④

 前回は生徒さんが「どうぶつ将棋」を体験するところまでやりました。30分~1時間くらいで一通りできます。
 ここから本将棋の指導です。未就学から小学校低学年の生徒さんにとって、覚えることが多く、内容もすこし難しくなります。どうぶつ将棋体験からの流れで、自然に本将棋に親しんでもらうことをめざします。
 
 まず駒を一切置いていない、本将棋の盤を生徒さんにみせます。
 盤は9×9マス。九九を習うのは小学2年生なので、3年生の生徒さんがいたら「何マスありますか?」と質問したりします。
 そして「どうぶつ将棋の盤と比べてどうか」を質問しましょう。「とても広い!」という答えが返ってきます。

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 「本将棋の盤は広い」がキーワード

 次に本将棋の駒を取り出して、生徒さんに見せます。教える側としては、ステップを細かく設定し、1ステップあたりの情報量を少なくすることを意識します。
 第1ステップは玉将と王将。どうぶつ将棋のライオンで、動きは同じです。玉がとられたら負けになることを確認し、「大事だから真ん中に置くね」などと盤の5九と5一に置きます。
 第2ステップは角行と飛車。「かく」「ひしゃ」という読み方はたいていの子が知っています。「角(ゾウ)はナナメ、飛(キリン)はタテヨコ」という動きの特徴も、どうぶつ将棋からの流れで、すんなり理解できます。ただ、ゾウとキリンは1マスしか動けません。飛・角は「盤が広いから、盤の端までどこまでもいける」と説明します。
 第3ステップ。角と飛を裏返します。「龍馬」「龍王」と崩し字で書いてあります。生徒さんの年齢では読めないので、読み方や略称をサラッと説明します。そして、「ドラゴンとペガサス」「進化した完全体」など、表現はなんでもいいのですが、龍と馬は弱点がなくなった強い駒だと強調します。
 第4ステップ。角と飛を盤の定位置(8八と2八)に置きます。飛・角が裏返るのを「成る」ということ、敵陣(一段目から三段目まで)に侵入したら成れることも同時に説明します。また、盤上で実際に角と飛を動かして成る動作をします。
 
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「飛角将棋」と呼んでいる

 どうぶつ将棋から本将棋への案内として、最初はこの「飛角将棋」がよいです。
 まずは大盤などで解説します。「先生(後手)の王を追い詰めるにはどうしたらいいか」を聞き、「最強の駒(龍と馬)をつくる」と答えさせます。これは駒落ちにも平手にもあてはまる汎用性の高い原理。指導のたびに繰り返して質問し、答えさせます。
 次に、「飛をどこに成ったらいいか」を質問します。▲2一飛成と答えたら、「王手だから狙いはいい」と褒め、「だけど先生は逃げるよ」と△6二玉と動かします。「逃げるところがこんなにたくさんある」と玉を上部に逃がしてはいけないことを強調します。
 こうすれば正解の▲2二飛成にたどりつくはずです。盤のマスをトントンと指さし、「龍の横の効きが強くて先生の玉が逃げられない」と言いながら△4一玉と動かします。
 ここで再び「みなさんはどう指しますか」と問います。▲4二龍や▲5二龍という答えならしめたもの。△同玉として、取った飛を得意げに生徒に見せます。「強い駒をタダで取られたらもったいないね」といい、「龍という強い駒でも一人ぼっちで攻めていってはいけない」と説明します。また▲2一龍や▲1一龍としたら、「やったぁ!」などと大げさに言いながら△5二玉とします。
 こうして何度か試行錯誤をすれば▲3三角成にたどりつきます。角を成るときは、盤のナナメのマスを指で順番にトントンとたたき、角がどこに移動できるかを確認するとよいでしょう。また「先生の玉はどこに動けるか」を聞き、どのマスにも龍か馬が効いていることを指で確認します。「しかたないから先生パス」といい、「みなさんの番です。どう指しますか」と問います。

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龍は二段目 馬は三段目
 
 詰みは三通り(▲4二馬、▲4二龍、▲3二龍)あり、全部やったほうがいいでしょう。指でマスを指しながら、ⅰ.王手がかかっているか ⅱ.玉の逃げるマスがあるか ⅲ.王手している駒を玉で取れるか、を確認します(私は「詰みの三要素」と言っています)。龍は二段目、馬は玉に近い三段目にいれば、龍と馬がコンビを組んで詰む形ができることを覚えてもらいます。
 
 解説が終わったら、この「飛角将棋」で講師との指導対局をします。上手は指す手がほとんどないので、5面以上の多面指しもこなせます。一方生徒さんは、待つ時間が多くなるので、口を閉じて考えることを指導する最初の機会となります。
 なお、上手は玉を三段目には動かさないようにしましょう。勝負がつかなくなるおそれがあります。

<文責 大谷和広>

はじめの一歩からの指導 ③

前回は、将棋のルールをお子さんに自然とおぼえてもらうために、「どうぶつ将棋」を使うとよい、ということをやりました。

<将棋のルール>
  ① 駒には種類に応じた動き方がある
  ② 自分の駒と相手の駒を、決まった配置にしてスタート
  ③ 交互に駒を盤上で動かす
  ④ 相手の駒は取ることができる
  ⑤ 取った相手の駒は自分の駒として打てる
  ⑥ 相手の玉を詰ましたら勝利 

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どうぶつ将棋の初形配置

 前回は初形の配置までやりました。今回はその後の指導です。
 まず、詰みまでの手順を大盤で並べます。

<大盤で並べる手順の例> 
1 ▲B2ヒヨコ  2 △同ゾウ
3 ▲B3ゾウ   4 △C1ライオン
5 ▲C3キリン  6 △同ゾウ
7 ▲同ライオン  8 △B1キリン
9 ▲C2ヒヨコ   まで先手勝ち

 講師にとって進めやすいのは「手順を並べながらルールの説明も同時にやる」方法です。

<初手の説明> ルール④を説明する
(講師)相手の動物を捕まえよう
     (B2のヒヨコをつかんで向きを直し、盤側右下に貼る)
    捕まえたら自分の動物を前に進める
     (B3のヒヨコをB2に動かす)

<2手目の説明> ルール③④⑥も説明する
(講師)相手が放っておくとどうなりますか?
     (「ライオンを捕まえる!」などの声)
    そうですね でも次は相手の番です
    相手は王手をはずします ヒヨコを取り返しましょう
     (B2のヒヨコをつかんで向きをさかさまにし、盤側左上に貼る)
    相手も捕まえたら、動物を前に進めます
     (C1のゾウをB2に動かす)

<8手目の説明> ルール⑤を説明する
(講師)みなさんはさっきゾウを捕まえました
     このゾウはつよい味方です 相手のライオンに王手できます
      (▲B2ゾウと打てば王手キリン取りになる)
     でも次は相手の番です ゾウを打たれないようにまもります
      (A1のキリンをB1に動かす)
    
 以下省略しますが、こんな感じで説明しながら詰みまで進めます。

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9手目▲C2ヒヨコ 「なんていうの?」「キャッチ!」

 解説のときに、対局時のマナーにも触れるとよいでしょう。
 開始のときに「よろしくお願いします」。
 終了のときに「負けました」「ありがとうございました」。
 この習慣は、どうぶつ将棋の段階で身につけておいたほうがよいです。
 
 いったん詰みまで解説したら、生徒に初めてどうぶつ将棋セットを配ります。
 はじめから目の前にセットがあると、つい開けて、遊びたくなります。
 どうぶつ将棋セットをいつ配るか、タイミングは考えておきます。

 その次にすることは、たとえば
  ア.大盤を見ながら生徒が目の前の盤で手順を再現する
  イ.講師と対局する(多面指し含む)
  ウ.生徒同士で対戦する
などです。
 アの「大盤での手順の再現」は、最初のうちは案外とできないものです。時間があればやったほうがよいと思います。
 イの「講師との対局」の場合は、生徒が大盤でやった想定手順を覚え、その通りに進めたら、講師も詰みまでその通りに進めます。勝つために手順を覚える努力と、勝ったときの喜びを、同時に実感してもらえます。
 ウの「生徒同士の対戦」の場合は、勝ち負けより、繰り返し指して慣れてもらうのが目的です。騒がしくなったら注意しましょう。マナー(「3つのあいさつ」と「口を閉じて指す」)ができているかをチェックします。
 ルール違反がしばしば起きます。その場で指摘する。1局終わってから言う。大盤で「こういう反則が多かったよ」と振り返る。どれもありだと思います。

<文責 大谷和広>

はじめの一歩からの指導 ②

 さて、お子さんにルールから教えるときに、指導者がとても重宝するグッツが、ごぞんじ「どうぶつ将棋」。
 
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デザインがかわいらしい 未就学のお子さんでもOK
 
 この「どうぶつ将棋」を指導に用いるとき、筆者が気をつけたのが、将棋のルールの本質を意識しながら、それを子どもに理解できる簡単な言葉や動作でサラッと教える、というところです。
 将棋のルールの本質を列挙すると、たとえばこのようになります。

  ① 駒には種類に応じた個性(動かせるマスと動かせないマス)がある
  ② 自分の駒と相手の駒に分け、決まった初形に配置する
  ③ 交互に駒を盤上で動かす(自分が指したら次は相手の番になる)
  ④ 相手の駒は取ることができる
  ⑤ 取った相手の駒は自分の駒として打てる
  ⑥ 相手の玉を詰ましたら勝利 

 どうぶつ将棋の大盤という面白いものが支部にありました。コミセンで教えたときは、この大盤を使いました。
 もちろん大盤がなければ、講師がどうぶつ将棋セットの前に座り、生徒の目の前で同じようにやってよいです。

 (講師) (駒をつまんで生徒に見せる)この動物、なにか分かる?
 (生徒) ライオン!
 (講師) (駒を盤に置いて)どう動く?
 (生徒) まわり全部! どこでも!
 (講師) いちばん強いのはライオンです。捕まったら負け。相手のライオンを捕まえたら勝ち。大事だから中心ね(盤のB4のマスに置く)。
 (講師) (駒を持って)次、この動物は?
 (生徒) ゾウ!
 (講師) (駒を盤に置いて)どう動く?
 (生徒) ナナメ!
 (講師) ライオンとちがって、動けないところがあるね
 (生徒) 前と横!
 (講師) ゾウは大事なライオンを守ります。ライオンを見るように置こうね(盤のA4のマスに置く)
  <以下 キリンとヒヨコを同様の手順で説明>

 こうやって駒を初形配置どおりに並べながら、各駒の動きも説明します。前に述べた将棋のルールの本質でいうと、①②を一緒に教えています。

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どうぶつ将棋の初形配置

 なお自分の駒を一通り並べたら、次に相手の駒を並べます。
 自分の駒は、ゾウが左、キリンが右ですが、相手の駒は、ゾウが右、キリンが左になります。
 これを教えるとき、「相手の駒は向きがさかさま、置くところもさかさま」と声をかけます。
 「相手の駒は自分から見て上下反対の動きになる」というのは、本将棋で初心者が意外と苦労する部分です。キーワード(さかさま)やジェスチャー(たとえば右手を下、左手を上にしてからクルッと上下を入れ替える)で最初から意識させるとよいでしょう。

<文責 大谷和広>
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