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はじめの一歩からの指導 ④

 前回は生徒さんが「どうぶつ将棋」を体験するところまでやりました。30分~1時間くらいで一通りできます。
 ここから本将棋の指導です。未就学から小学校低学年の生徒さんにとって、覚えることが多く、内容もすこし難しくなります。どうぶつ将棋体験からの流れで、自然に本将棋に親しんでもらうことをめざします。
 
 まず駒を一切置いていない、本将棋の盤を生徒さんにみせます。
 盤は9×9マス。九九を習うのは小学2年生なので、3年生の生徒さんがいたら「何マスありますか?」と質問したりします。
 そして「どうぶつ将棋の盤と比べてどうか」を質問しましょう。「とても広い!」という答えが返ってきます。

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 「本将棋の盤は広い」がキーワード

 次に本将棋の駒を取り出して、生徒さんに見せます。教える側としては、ステップを細かく設定し、1ステップあたりの情報量を少なくすることを意識します。
 第1ステップは玉将と王将。どうぶつ将棋のライオンで、動きは同じです。玉がとられたら負けになることを確認し、「大事だから真ん中に置くね」などと盤の5九と5一に置きます。
 第2ステップは角行と飛車。「かく」「ひしゃ」という読み方はたいていの子が知っています。「角(ゾウ)はナナメ、飛(キリン)はタテヨコ」という動きの特徴も、どうぶつ将棋からの流れで、すんなり理解できます。ただ、ゾウとキリンは1マスしか動けません。飛・角は「盤が広いから、盤の端までどこまでもいける」と説明します。
 第3ステップ。角と飛を裏返します。「龍馬」「龍王」と崩し字で書いてあります。生徒さんの年齢では読めないので、読み方や略称をサラッと説明します。そして、「ドラゴンとペガサス」「進化した完全体」など、表現はなんでもいいのですが、龍と馬は弱点がなくなった強い駒だと強調します。
 第4ステップ。角と飛を盤の定位置(8八と2八)に置きます。飛・角が裏返るのを「成る」ということ、敵陣(一段目から三段目まで)に侵入したら成れることも同時に説明します。また、盤上で実際に角と飛を動かして成る動作をします。
 
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「飛角将棋」と呼んでいる

 どうぶつ将棋から本将棋への案内として、最初はこの「飛角将棋」がよいです。
 まずは大盤などで解説します。「先生(後手)の王を追い詰めるにはどうしたらいいか」を聞き、「最強の駒(龍と馬)をつくる」と答えさせます。これは駒落ちにも平手にもあてはまる汎用性の高い原理。指導のたびに繰り返して質問し、答えさせます。
 次に、「飛をどこに成ったらいいか」を質問します。▲2一飛成と答えたら、「王手だから狙いはいい」と褒め、「だけど先生は逃げるよ」と△6二玉と動かします。「逃げるところがこんなにたくさんある」と玉を上部に逃がしてはいけないことを強調します。
 こうすれば正解の▲2二飛成にたどりつくはずです。盤のマスをトントンと指さし、「龍の横の効きが強くて先生の玉が逃げられない」と言いながら△4一玉と動かします。
 ここで再び「みなさんはどう指しますか」と問います。▲4二龍や▲5二龍という答えならしめたもの。△同玉として、取った飛を得意げに生徒に見せます。「強い駒をタダで取られたらもったいないね」といい、「龍という強い駒でも一人ぼっちで攻めていってはいけない」と説明します。また▲2一龍や▲1一龍としたら、「やったぁ!」などと大げさに言いながら△5二玉とします。
 こうして何度か試行錯誤をすれば▲3三角成にたどりつきます。角を成るときは、盤のナナメのマスを指で順番にトントンとたたき、角がどこに移動できるかを確認するとよいでしょう。また「先生の玉はどこに動けるか」を聞き、どのマスにも龍か馬が効いていることを指で確認します。「しかたないから先生パス」といい、「みなさんの番です。どう指しますか」と問います。

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龍は二段目 馬は三段目
 
 詰みは三通り(▲4二馬、▲4二龍、▲3二龍)あり、全部やったほうがいいでしょう。指でマスを指しながら、ⅰ.王手がかかっているか ⅱ.玉の逃げるマスがあるか ⅲ.王手している駒を玉で取れるか、を確認します(私は「詰みの三要素」と言っています)。龍は二段目、馬は玉に近い三段目にいれば、龍と馬がコンビを組んで詰む形ができることを覚えてもらいます。
 
 解説が終わったら、この「飛角将棋」で講師との指導対局をします。上手は指す手がほとんどないので、5面以上の多面指しもこなせます。一方生徒さんは、待つ時間が多くなるので、口を閉じて考えることを指導する最初の機会となります。
 なお、上手は玉を三段目には動かさないようにしましょう。勝負がつかなくなるおそれがあります。

<文責 大谷和広>
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